episode 6

“ BLAKE’S LADDER ”

ウィリアム・ブレイクの梯子
天と地を結ぶ螺旋

 

A ladder appeared to Jacob in a dream,
“ and the top of it reached to heaven : and angels of God were going up and down on it “
(Genesis 28,12)

旧約聖書 創世記28章12節で ヤコブが夢に見た、天使が上り下りしている天から地に至る梯子・階段を、19世紀の神秘主義詩人で画家のウィリアム・ブレイク(William Blake)は螺旋状に描いた。

この天と地を結ぶ螺旋は、ブレイクにとって人間の耳の内耳における渦巻き型の形状(内耳:英語でlabyrinth・ラビリンス、迷路)のイメージと結びついていたようだ。
ブレイクは人間が外界を認識し知覚を研ぎ澄ますには、内耳の機能がいかに重要であるか、内耳の開放(“ opening of the inner ear “)こそが高次の世界と繋がるための前提条件であると説いている。


また、散文『天国と地獄の結婚』(Marriage of Heaven and Hell, 1793)では次のようにも述べている。

“ Improvement makes straight roads:but the crooked roads without improvement are the roads of Genius. “
(手を加えることで道はまっすぐになる。しかし、曲がったままの道は天才の道である。)

螺旋形とは生命の運動である。

DNA構造に始まり、数多の命が螺旋を描きながら成長していく。
私たちの生きるこの地球も、銀河の中心から外側に向かって猛スピードで遠ざかっていく太陽の周りを回り続けていることで螺旋を描いている。

生きていることとは、同じところを回り続けているのではなく、螺旋を描きながら少しずつ進んでいくことなのかもしれない。

[ design / デザイン ]
ONE SIZE RING #10
サイズは10号のみ、素材は925SVおよびK10YGでの展開