寒川義雄 Yoshio Kangawa

寒川義雄
Yoshio Kangawa

2023.8.12(sat)〜27(sun) 
※作家在廊:8.12(sat)
13:00-18:00
close / tue.wed.thu.
online:8.23(wed)21:00 〜 8.27(thu)18:00


Artist Talk
寒川義雄(陶芸家)×salon"the Room"主宰末藤
8月12日(土)18:00-19:00
参加費:1,000円 cash only 1drink付(冷茶又は冷珈琲)
ご予約:メールor Instagramアカウントorミュッテ店頭までご連絡ください。トークは予約制となります。
mail / room@mutte.jp Instagram / @the_room_by_s

青焼き。

 梅雨の晴れ間、寒川さんの工房を伺った。遠くに瀬戸内海を眺める高台に工房があり、蹴轆轤の話、三点の茶碗、藍染の布を持って帰ってきた。帰り道、告知用のビジュアルには写真の青焼きのアイデアが頭にあった。(青焼きとは、印刷用のフィルムを作成したあとに、そのフィルムからジアゾ感光紙に感光させて焼き付けた校正紙である。青色の線で描かれた昔の建築図面をイメージしてもらうと分かりやすい。)その青焼きのアイデアを形にしていくのだが、撮影した写真をそのまま現像して青焼きにするのでは面白くない。その考えは、蹴轆轤で茶碗を造ろうとする寒川さんの思想へのオマージュでもある。現代を生きる私たちは、脈々と受け継がれてきた知恵の中で生きている。その過去と対話しながら、今できる表現を考え、アウトプットしている。たとえ、過去のどんなに素晴らしい知恵でも今の自分の解釈を少しだけ付け加えてみたいと思う。青焼きのアイデアも、やはり自分なりの青焼きを模索してこそ、初めて寒川さんの器を撮れるような気がした。そこで私は、まず茶碗を一点づつ写真に撮り、出力し、重ねて透過させて複写してみることにした。なかなかの手間と時間のかかる工程ではあったが、微調整を繰り返し、山積みになったコピー用紙の中から納得いく一枚の「青い写真」を完成させた。かなり散らかった机の上であったが、どこか寒川さんの工房にある薪窯の風景と重なり、これで良いような気がした。

design & text by Takahisa Suzuki

Previous
Previous

安齊賢太 Kenta Anzai

Next
Next

satomi kawakita jewelry Order Fair